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開発ストーリー

今回紹介するストーリーは、新製品開発プロジェクトの立ち上げ、これまでにない新要素技術を産学連携で、製品化と特許出願するまでのプロセスについて、体験談を本人から寄せてもらい掲載したものです。

01

自社商品開発スタート

2005年1月より新たな自社商品の企画・開発を目的として新たに開発部が発足しました。
開発部の発足に伴い、これまでにない新しい自社ブランド製品の開発が正式にスタートしました。


02

製品企画

当初持ち上がっていた企画の中に、当社の保有技術の一つである「板金技術」を用いた製品として「ロッカー」がありました。それに何か付加価値を付けた製品として「酸化防止用ロッカー」の企画が上がっていました。
「酸化防止用ロッカー」とは、美術品や文化財などの貴重品を対象とした保管ロッカーであり、保管に必要な温度・湿度管理はもちろんのこと、合わせて窒素ガスを利用することで貴金属類の酸化防止や、無酸素による殺虫効果などさらに付加価値を持たせたロッカー製品でした。


03

調査

製品の市場調査では、美術品や文化財を対象とするため県内外にある美術館や博物館に聞きこみを行ないました。調査結果では、農薬などを使用した殺虫方法が環境問題により代替対策が推進されていること、貴金属類の酸化防止にて窒素ガスが使用されているが、装置価格が高いとい情報を得ました。「酸化防止用ロッカー」に対して市場性があるとの判断から、製品企画にも力を入れはじめました。


04

問題発生

「酸化防止用ロッカー」の企画開発を行っていく中で、1つの技術的な問題点が浮上してきました。それは、少風量しか発生できない窒素ガスに対して貴重品の保管に必要な温度・湿度を制御する技術でした。従来からある温度・湿度の制御技術(一般的に空調技術)では、温度、湿度を制御するためにはある程度の処理風量が必要でした。今回の企画では、制御に必要な処理風量が最低でも約1m2/min必要であるのに対し、約1/100の0.01m2/minの風量の窒素ガスを制御しなければいけませんでした。


05

技術検討

まず今日現在用いられている様々な温度・湿度制御技術や特許技術などの調査を行ないました。結果として様々な制御技術はありましたが、少風量での制御にはどれも難しいものがありました。そんな中、近年さまざまな企業で多くなってきている大学と企業との産学官連携(共同開発など)の話を聞き、一度大学への相談をしてみてはという意見があり、早速問題を抱え大学へと話を持ちかけました。


06

共同開発の開始

大学では、特に熱に関する研究を行なっています信州大学工学部機械システム工学科(熱工学研究室)の先生に相談をして頂きました。
先生との話合いの中では、現在少ない風量に対し温度・湿度を制御できる技術(製品)は思い当たらない、従来の方法では、少ない風量の温度・湿度制御は難しいのではという見解でした。
しかし、逆に今までないものであれば様々な用途で活躍できるのではないかという意見と、新しい技術開発をしていくという当社の目的が一致し、とりあえず当面の技術問題を解決するべく信州大学との共同開発がスタートしました。


07

地道な作業

当初は、従来の方式に対してどこが問題になるのか、どのように対策すればよいかを明確にすることから始めました。試作を製作してさまざまなデータを収集し原因を追究していきました。その結果1つの原因が明確になってきました。その原因は、処理風量が少ないため空気の移動時間が長く、さまざまな要因から温度影響を受けやすくなってしまうため温度・湿度を安定させることが難しかったのです。
試作


08

試行錯誤

明確になった原因に対して次にどのように対策していくか、試作機に対してさまざまな改良を加えての試行錯誤を繰り返しました。温度影響を受けないよう断熱性を向上させたり、各制御部の容量を小さくし空気の移動時間を少なくしたりと改良をしていくが、なかなか解決することができず数ヶ月を費やしていきました。
試作


09

新たな提案

そんな中、これまでの試験結果や対策内容を見直していく中で、1つの提案が大学より持ち上がりました。「温度と湿度を同時に制御すればいいのでは」。
これまでは、温度・湿度を各々で制御していたこともあり、色んな要素の温度影響を受けていましたが、同時に制御することで様々な温度影響の要因を無くせるという利点が挙げられます。同時に装置も小型化・低コスト化も見込める提案であったため、即採用となったわけです。


10

新技術の誕生

提案内容を大学側と綿密に打合せを行ない、試作機を製作しました。
試作完成後、大学との評価を行なっていった結果、細かな問題点はありましたが「少風量に対する温度・湿度制御技術」については良好な結果が得られました。
この結果を確認したことで信州大学とコトヒラ工業の共同開発により新しい技術が誕生し、特許出願にまで至りました。(信州大学との共同出願)

試作


11

製品化

今回、信州大学との共同開発した技術については、当初「酸化防止用ロッカー」での窒素ガスの温度・湿度制御を目的として開発されました。しかし、開発技術の新規性や温度・湿度制御が幅広い用途で使用されていることから、単独での製品化を決定。微小な風量の温度・湿度を制御できることから小空間での局所空調用、精密測定空間の空調用、窒素ガスなどの調温・調湿用として幅広い分野で使用される自社オリジナルの製品となるよう現在、早期製品化を進めています。
製品化

新聞



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