法改正後の溶接ヒュームの取り扱いに注意!高性能でおすすめの集塵機は?
溶接ヒュームは2021年(令和3年)4月1日の法改正により新しく特定化学物質として認定され、適切な換気が義務付けられました。
法改正から久しい今、当時に比べ意識が緩慢になっている従業員も出てくる時期ですから、より高い意識で取り扱わなければいけません。
今回は、取り扱い時の注意点やポータブル性にも優れたおすすめの溶接ヒューム集塵機をご紹介していきます。
溶接ヒュームとは?
溶接ヒュームとは、急速に熱せられた金属が空気中で冷却し、粉じんとなったもののことです。
主に、アーク溶接や、グラインダー仕上げの際に起こる金属粉じんが該当します。
2021年4月1日から施行された「労働安全衛生法施行令」「特定化学物質障害予防規則(特化則)」により、特にアーク溶接によって発生する溶接ヒュームでの適切な対策が義務付けられました。
半自動溶接、手棒溶接、TIG溶接といった溶接ヒュームも対策義務の対象となっています。
上記に該当する事業者は、適切な対応をしなければいけません。
溶接ヒュームによる影響とは?
溶接ヒュームによる人体への悪影響として「じん肺(塵肺)」が挙げられます。
じん肺とは、金属、研磨材などの粉塵を吸い込んだときに、肺の中で起こる異変です。
短い時間でたくさん吸い込んだときにも、少量を長時間吸い続けたときにもリスクがあるため、さまざまな健康被害が懸念されています。
短時間で与えられる人体への影響
ヒュームを短い時間でたくさん吸い込みすぎてしまった場合、当日〜翌日の間に身体に異変が起こる可能性があります。
具体的には、悪寒や高熱が起こり、通常の場合は発症から24~48時間ほどで落ち着いていきます。
短時間、もしくは少量の場合には、自覚症状もほとんどありません。
しかし、同様の環境に何度も身を置くことでさらに重症に陥りやすくなるため注意してください。
長時間(長期間)で与えられる人体への影響
長時間(長期間)ヒュームを吸い続けることによって、肺への影響はよりダイレクトに見られるようになります。
咳や息切れが起きやすくなるほか、軽い運動でも息切れや動悸が起きやすくなります。
さらに「じん肺法施行規則」では、じん肺によって次のような合併症のリスクが高まるとされています。
- 肺結核
- 結核性胸膜炎
- 続発性気管支炎
- 続発性気管支拡張症
- 続発性気胸
- 原発性肺がん
これらのリスクを抑えるためにも、溶接ヒュームの取り扱い環境を十分見直す必要があります。
法的に定められている溶接ヒュームの取り扱い方
溶接ヒュームにまつわる法令では、次のような内容が義務付けられています。
- 集塵機等による換気装置の設置
- 作業環境測定(個人ばく露測定)の実施
- 作業員の徹底した保護具着用
- 特殊健康診断の実施
- 安全教育の実施
こうした作業環境を構築する一環で、環境に合った溶接ヒューム集塵機の導入も検討しなければいけません。
おすすめの溶接ヒューム集塵機
溶接ヒューム集塵機にはさまざまな種類があり、特徴が異なります。
おすすめの製品を特徴も含めてご紹介しますので、導入する環境に応じて最適な製品を検討しましょう。
コトヒラ製溶接ヒューム集塵機

2021年4月に施工された「溶接ヒューム特化則改正対策」を踏まえ、集塵機を見直したい方におすすめなのが、コトヒラ製溶接ヒューム集塵機は、高い捕集率(0.3μm99%)と広い捕集面積の難燃性フィルタが導入された集塵機です。
従来は、溶接ヒュームと、グラインダー仕上げ時の金属粉じんの両方を回収する場合、それぞれに専用の集塵機を用意しなければいけませんでした。
しかしこちらの製品はひとつ用意すれば溶接ヒュームと金属粉じんの両方を回収でき、設置スペースが少ない環境でも導入しやすいのが魅力です。
独自の吸引エアー流路構造と、メタルファイバーフィルタの採用が採用されているなど消火機構が整っていることも特徴です。
また、放散口と吸引フードには逆流防止弁が設けられており、爆発防護対策も導入されています。
ポータブル溶接ヒュームコレクター

ポータブル溶接ヒュームコレクターは、5段階のスパッタ侵入対策(3枚の衝突板+金属フィルタ+フィルタ保護板)が導入されています。
溶接で火花が発生した際にも、内部にまで侵入しにくい安全構造となっています。
同時に、高い捕集率(0.3μm粒子を99%捕集)と捕集面積が広い(15m²)難燃性のフィルタを実現しているため、集塵機としての高い機能を誇っていることも魅力です。
メンテナンス性能にも優れており、フィルタ交換に工具がいらないことからも簡単にお手入れができます。
衝突板の拭き取り作業、取り外し洗浄も簡単にできるので常に清潔な状態をキープできるでしょう。
コンパクトサイズなので、作業台の下にも収納できます。
キャスター付きのため移動も楽にでき、作業環境を選びません。
ポータブル溶接ヒュームコレクター1.5kWタイプ

ポータブル溶接ヒュームコレクターのコンパクトさをそのままに、最大風量17㎥/min、最大静圧2.8kPaという高風量・高静圧を実現しています。
もちろん、5段階の厳重なスパッタ(火花)侵入対策も導入されており、火災のリスクは変わらず抑えられている設計です。
ダクトは2口が標準仕様となっており、より強力でパワフルな仕様が期待できます。
もし、ダクト1本で使うのであれば、付属のフタを使用することで片側を塞ぐことできるでしょう。
また、オプションのアームダクトを取り付けることも可能です。
細かい位置調整ができるため、さまざまな場面や環境で使うことができます。
ポータブル溶接ヒュームコレクター1.5kWタイプはこちらから
機能的な溶接ヒューム集塵機を導入し安全性を向上しよう
溶接ヒュームは人体への重大な被害が問題視されており、2021年には法改正もされました。
工場では、安全性の高い環境を構築するために必要な設備を設置することや、安全管理を実施することが義務付けられています。
そのための一環として、適切な溶接ヒューム集塵機を導入することも非常に需要です。
今、機能的な溶接ヒューム集塵機はさまざまに展開されていますのでサイズやコスト、利便性などを踏まえて最適な製品を選びましょう。
コトヒラ工業では、機能的な溶接ヒューム集塵機を多数展開しています。
用途に合わせて導入し、従業員にとって安心して作業できる環境を構築しましょう。
