集塵機のメンテナンスについて

貴社の集塵機、大丈夫ですか…?

うーん…。おかしいなぁ。
お疲れ様。あれ、なんか困ってる?


グループ長!お疲れ様です。最近集塵機の吸引力が低下しているみたいなんです。
そうなの?報告してくれてありがとう。


故障でしょうか?
そうだね。点検の履歴どうなってるっけ?


確認してみますね。
~~~~~

えーっと、集塵機の点検履歴は…あれ?ない?!
え、ないの!?


はい、どこにも見当たらないです…。
ということは、購入してから一度もメンテナンスしてないってことか。この集塵機は購入してから2年。流石にまずいな…。

集塵機は定期点検が義務づけられています
集塵機は、粉塵作業を行う工場などの現場では、作業現場の環境維持・改善はもちろん、作業員の方々の健康と安全、加えて環境汚染対策にも役立っています。
作業現場に欠かせない集塵機は、他の設備と同様に、定期的な点検・メンテナンスを行うことで、長く、安全に使用していただくことができます。
特に以下の規則によって設置が義務付けられている集塵装置や局所排気装置は1年以内毎の定期自主点検の実施とその記録の保管(3年)が定められています。
・粉塵障害予防規則(粉塵測)
・有機溶剤中毒予防規則(有機則)
・鉛中毒予防規則(鉛則)
・特定化学物質障害予防規則(特化則)

ありゃりゃ、僕たちは粉塵作業の設備として集塵機を使っているから、一年以内毎の定期自主点検が義務付けられているんですね。
うん。私の確認不足だったよ。申し訳ない。これは監査でも引っ掛かりそうだな…。現実問題として動作不良も起こっているし、早急に対処する必要があるな…。

集塵機のSOSを聞いてください!
集塵機や局所排気装置の定期点検が義務付けられていることは、先ほどお伝えしました。
ただ、装置にかかっている負荷は作業現場によって異なります。
1年以内毎の定期自主点検をしているにも関わらず、集塵機や局所排気装置の調子が良くない場合、想定以上に装置に負荷がかかっているかもしれません。
次のような症状が装置にみられる場合、早急に点検・メンテナンスを行うことをおすすめします。
吸引力の低下
長期にわたって定期点検を怠っていたり、使用負荷が高かったりすると、フィルターの目詰まりが起こります。
フィルターにぎっしり詰まった粉塵が、空気の流れを妨げ、吸引力を低下させています。
フィルター目詰まりの原因は大量に詰まった粉塵だけではなく、吸気ダクトからの雨水侵入(雨漏り)のこともあります。
また、吸引力低下の原因はフィルターの目詰まりだけではなく、装置内部への異物の混入や機械部品不具合などのこともあります。
集塵機などの装置の吸引力の低下が見られる場合には以下の項目をご確認ください。
・差圧計をご確認ください(基準値:1.5kPa以下)
・吸引ブロワのダンパー開度が適正ですか
・吸引配管内に異物は混入していませんか
・パルス機能に異常はありませんか
これらの異常を定期点検で発見し対応することで、吸引力の低下を防ぐことが出来ます。
粉もれの発生
集塵機などのフィルターが目詰まった状態での長期使用や、水・空圧洗浄などによる濾材損傷など、フィルターに対する過剰な負荷により、フィルターが破損し、「粉もれ」が発生してしまいます。
捕集し除去したはずの粉塵が、清浄空気側に流出する現象が「粉もれ」です。
清浄空気側に粉塵が漏れることで、集塵機内部の部品に粉塵が入り込み、集塵機本体の故障原因になります。
また、排気口から粉塵が漏れ出てしまうので、次の作業工程や周辺の作業環境、さらに作業者の健康と安全にも悪影響をおよぼします。

この集塵機は吸引力の低下が見られるので、今すぐにでも点検して、メンテナンスをしないといけませんね!
そうだね。早速点検方法をメーカーに聞いてみよう。

〜〜〜〜〜

メーカーから教えてもらった項目項目を確認したら、やっぱり捕集した粉塵によるフィルターの目詰まりが起こってましたね。
うん。フィルターはかなり負荷がかかってて、破損寸前だったし、この段階で気づけて良かったよ。


吸引力低下の理由は分かりましたし、次はメンテナンスを行なって状況を改善したいと思います。
フィルターの交換・洗浄
集塵機のフィルターはどのような使用方法でも、遅かれ早かれ目詰まりを起こします。
そのため、フィルターの洗浄や交換というメンテナンスを避けて通ることはできません。
また、フィルターのメンテナンスを行う際に注意が必要なのは、どんなフィルターでも洗浄方法が同じというわけではないということです。
フィルターには様々な種類があり、洗浄で効果が回復するものもあれば、洗浄がフィルターにとっての負担になり、フィルター破損につながることもあります。
フィルターの目詰まり解消を行うときは、自己判断で対応せず、取り扱い説明書を読んだり、集塵機の製造メーカーにフィルターの取り扱い方法をよく確認して、安全に作業をして欲しいと思います。

なるほど、すべてのフィルターが洗浄できるわけではないんですね。
洗うことができるフィルターもあれば、洗うことで負荷がかかって破損につながってしまうフィルターもあるから、自信がないときは取扱説明書を読んだり、メーカーに確認したりして、確実な作業をするようにしよう。

コトヒラ工業の粉体用小型集塵機はメンテナンス楽々!
ここまでで、集塵機や局所排気装置の定期点検やメンテナンスがとても重要であることはお分かりいただけたかと思います。
しかしながら、「あまり頻繁に集塵機を使用しないのに1年以内毎の大規模な定期点検は大変」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな現場におすすめなのが、コトヒラ工業の「粉体用小型集塵機」です。
(粉体用小型集塵機についてピックアップした記事もあります!ぜひリンクからご覧ください→https://kotohira.shugarett-tester.com/column/introduction-dustcollector-smallsize)
コトヒラ工業の「粉体用小型集塵機」は、フィルター下面吸引方式と独自技術でフィルター交換頻度を低減した汎用集塵機です。
装置表面の凹凸が少なく、筐体がステンレス製のため、清掃性に優れ、衛生的です。
また、装置内での粉舞抑制機構により、装置内での粉塵爆発のリスクも低減しています。
(粉塵爆発のリスクについては、是非前回記事をご覧ください→https://www.kotohira.biz/column/dust-explosion)
もちろん、集塵機には様々なスペックがありますので、大量の粉塵が発生するような現場では大型の集塵機を用いて作業をしなければならない現場も多々あると思います。
ですが、比較的小規模な集塵が行えれば十分という現場では、コトヒラ工業の「粉体用小型集塵機」はしっかり役立ってくれるでしょう。

なるほど。集塵機にも大容量のものから、ちょっと使いたいときにちょうどいいものまで、色々あるんですね。
現場の状況や用途に合わせて、道具を使い分けるのも大切なことだね。


今回のトラブルをきっかけに、自分たちの使用する道具に、もっとしっかり手をかけてあげたくなりました。
素晴らしい心がけだね。私も現場の作業員任せにせず、注意してみる必要があるとわかったよ。これからは、現場の設備もしっかり整えて、より良い作業環境を作っていこう。


はい!頑張ります!
最後に
ここまでお読みいただきありがとうございました。いかがでしたでしょうか。
集塵機や局所排気装置の点検やメンテナンスは、実作業との直接的なかかわりを感じにくいためおろそかになってしまっている現場もあるのではないでしょうか。
しかしながら、定期的な点検とメンテナンスで、集塵機などの装置の故障や作業環境の汚染、さらには粉塵爆発などの事故を防ぐことができます。
弊社の集塵機についてはもちろん、現場の集塵や集塵機のメンテナンスについて、是非弊社にお気軽にご相談ください。
皆様の現場で活躍する集塵機や局所排気装置が、より長く、より健全に働いてくれることを祈っております。
